【新唐人2011年5月19日付ニュース】中国では、熱烈な民族主義を示す若者を“憤青”と呼びます。国際テロ組織の首領ビンラディンが殺害されたニュースが伝わると、反米英雄の没落を悲しむ憤青は少なくありませんでした。東日本を襲った大震災にも、憤青たちは喝采を送りました。このような捻じ曲がった人間性は、憎しみを植え付ける長年の洗脳教育の結果だと指摘されています。
10年前のアメリカ同時多発テロが発生した時、中国の多くの憤青たちは大学キャンパスで歓声を上げました。今回のビンラディン容疑者の死も、若者の中で様々な反響を呼びました。
中央テレビの軍事チャンネルの張欣監督は、“ビンラディンは、アラブ世界の有史以来もっとも偉大なヒーローだ”と公言。これに対し、ネット上では賛否両論の声が上がりました。また、フェニックスネットの投票調べでは、投票者50万人のうち、6割が反米闘士の死を惜しむと示しました。
中国問題に詳しい香港の李崇光氏は、中国の一部の若者のこの傾向は、まさに“狼に育てられた結果”だと述べました。中国共産党の長年の洗脳教育の結果、欧米に対し、憎しみが客観的分析を越えているのです。
1989年の天安門事件で、戦車にひかれて両足を失った方政さんは、共産党の暴力文化の下、中国人の精神は異化したと述べます。
元北京の大学生 方政
「これは中共の長年の国家テロのような教育と環境に密接な関係があります。長年続く恐怖の現実と洗脳教育によって、人間を独立思想のない人間、判断能力のない人間に変えてしましました。非常に恐ろしいことです」
これは民族の災難であり、悪質事件が絶えない根本的原因であるともいいます。
元北京の大学生 方政
「薬家鑫を含めて、俺の父は李剛だとか、みな恐ろしいものです。このような小さな恐怖が中国全土至る所に存在します。人間性のない人が大勢育てられました」
薬家鑫は西安音楽学院のピアノ学部の三年生でした。昨年10月、車で女性農民工をひきましたが、通報を恐れて、相手をナイフで刺し殺しました。逃走中、また通行人二人をひきました。
時事評論家の未普氏は、この事件は、共産党が愛国教育だけ行い、道徳教育を行わない結果の産物だと指摘。例えば北京では、小中学生は共産党党旗に向って、“永遠に党と国を愛する”と宣誓を強いられます。
時事評論家 章天亮
「多くの人は愛党と愛国 愛民族を混同していますが、これは民族主義の中の党文化の要素です。中国の民族主義は党文化の上に、“憎しみ”の上に建てられています」
ブログ作家殷德義さんは、東日本大震災で多くの人が死亡したニュースを聞いた憤青は、歓声を上げて喜んだが、これがまさに党の教育の成果だと嘆きました。
元北京大学法学教授 袁紅氷
「社会の前進の動力が愛ではなく、他人に対する関心ではなく、互いの憐憫ではなく、赤裸々な“憎しみ”を互いの関係を処理する基準とする時、これは恐ろしい社会です。正にホップスが言う、人間同士の関係は狼と狼の関係なのです」
香港の中国問題専門家李崇光氏は、情報や言論、思想の自由がない国では、健全な人格と価値観を樹立するのは難しいと指摘します。若者のほとんどが、視野が狭く、偏った価値観を持っていたのでは、彼らに国の未来を託すことはできるのでしょうか。
新唐人テレビがお伝えしました。
(中国語)